まほステ 橋本汰斗さん(ムル役)の卒業について

2023年12月19日、橋本汰斗さん本人のTwitterからこんなお知らせがありました。

https://twitter.com/taito_hashimoto/status/1736944456719581466?t=pKFeHk-veLRq2YfeNc7-lXWu49bkUa6LwQ7z1ANq8QM&s=19

要約すると芸能活動の休止ですね。この発表をする数ヶ月前にInstagramの一斉配信チャンネル内でも芸能活動の休止をライトな形でされていたので、いつかこうなってしまうのではないかとそのときからずっと心配に思っていました。まあ嫌な形で予想が当たってしまいましたね。本当にやるせない気持ちと喪失感でいっぱいです。

私が彼を知ったのは2017年、テニミュの円盤を購入したことがきっかけでした。彼が目的で購入した作品ではなかったのですが、気づけば彼の歌声とダンスの虜になっていました。

今どんな活動をしているのか、テニミュに出演したあとはどんな作品に出ていたのか、色々調べたのを覚えています。そして、そのときから既に、“急にどこかに消えてしまいそうな人”という印象がありました。

正直なことを言うと、橋本汰斗さんってもっと高く評価されてもいい俳優さんだと私は思っているんですよ。ですが、なぜか出ている作品はパッとしないものが多いし、実力の割に作品数も多くないし、知名度もそれなりだし。これはあくまで個人の感想ですが、そう思ってしまったことがめちゃくちゃ嫌で、めちゃくちゃ悔しかったんですよね。

まあ、かくいう私も彼のことをそんな風に評価していながら、会いに行かなかったんですけどね。彼をもっと有名にしてあげたいという気持ちをずっと持ち続けていたのに、陰から、ライトに応援してきてしまった。その事実に対して後悔の念は勿論ありますが、それと同じくらい、それで良かったのかもしれないという気持ちも存在しているんですね。

これは言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが、彼には“何をしてでも有名になってやる!”みたいな汚い欲がずっとなかったように思うんです。闘争心とかチャレンジ精神はもちろんあったと思うんですけど、変に有名になりすぎるのも性に合わなかったんじゃないかな?って勝手に思っているんです。

歌も踊りもアクロバットも演技もやらせたらピカイチなのに、ずっと謙虚で変に出しゃばらない、そんな人だった気がします。ファンとの距離も近かったですし、変に着飾ったりするような人でもなかったですしね。だからこそ芸能活動休止のお知らせを見たときも妙に納得してしまったんですね。“芸能の才能があるのに、芸能人向きじゃない”、そんなところでしょうか。

話を本題に戻します。

2020年、私はまたテニミュ繋がりで矢田悠祐さんを好きになります。そして2021年、矢田悠祐さんがファウスト役として魔法使いの約束という舞台に出るというお知らせを見ます。ここまでくれば皆さんもうお察しだと思うのですが、同作品のムル役に彼の名前があったのです。橋本汰斗という名前が。(当時の私のツイート↓)

https://twitter.com/footloose_t2/status/1398717740626571265?t=JRkv-8vEnnPacKjlfJwXNg&s=19

私はこれを運命だと思いました。“ずっと気になっていながらも、気にしていながらも、会いに行かなかった彼に会いに行くチャンスなんだ”と、“やっと彼に会えるんだ”と思いました。

まほステ第3章で私は初めて彼をこの目で見ました。そして実感しました。“4年前の私の目に狂いはなかった”と。

魔法使いの約束において、ムル・ハートという人物はかなりのキーパーソンであり、裏の主人公と言っても過言ではない重要なキャラですよね?そんな大役を務めるのに“彼以上の適任はいない”、そう感じました。

これについては橋本汰斗さんをよく知らない母も矢田悠祐さんを通じて仲良くなった友達も認めてくれました。そしてやはり、“もっと評価されるべき存在”だとも言ってくれました。この発言が上から目線に聞こえていたら大変申し訳ないです。ですが、それくらい役者として存在感のある人だったと私は思っています。

活動休止の報告を聞いた際、1番に考えたのは“エチュードシリーズのムル役は誰がやるのか?”ということでした。一時代役にするのか、西の国が出てくるエチュードを9月公演にまとめることで、ムル役[ 続投or代役orキャス変 ]の決定を先延ばしにするのか、色々なことを考えていました。

しかし、2023年12月26日、まほステ公式Twitterから正式に橋本汰斗さんムル役卒業のお知らせがなされました。

https://x.com/mahoyaku_stage/status/1739571763649167513?t=JenCCOqIUF6bFQnDWpbUgg&s=09

この知らせを受けたところで、私にはどうすることもできないなのに、ずっと「どうしよう、どうしよう」という言葉を漏らしてしまいました。もう彼の演じるムルを生で見ることができない。前回見たのが最後の(橋本汰斗さん演じる)ムルだった。その事実だけがポツンと私の目の前に置き去りにされてしまったのです。

自分が大切に思っている人間が、いつ、どんな形で自分の目の前から姿を消すかなんてことは誰にも分からないので、“前回の公演で橋本汰斗さんは卒業”という処理のされ方については全く不満に思っていません。ただただ寂しくて、悲しくて、苦しくて、虚しくて、辛くて、惜しいのです。

Twitterが勝手に流してくる厄介なおすすめツイートにも、ハブサで見つけたツイートにも、‘’もう少し彼のムルを見ていたかった”、‘‘彼がムルだったからこの作品に興味を持てた”、“彼はムルそのものだった”、“彼が西の国のカラーを作っていた”、そんな褒め言葉ばかりが並んでいました。それを見るにつけ、胸が痛みました。

私がごちゃごちゃ言ったところでこの事実が変わることはありません。こういったファンの心の声こそが彼の負担になりうる場合もあります。ですが、少しだけ、ほんの少しだけ、“悲しいんだよ!”、“キャス変嫌だよ!”と叫ぶのを許してもらえないでしょうか?

なぜなら、その声は私たちの彼に対する紛れもない賞賛そのものであり、彼と紡いできた大切な時間をこれからもずっと忘れないという決意表明のようなものでもあるから。心の整理はこれからゆっくり時間をかけてしていきましょう。